カメの歩み・もう少し前進

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2020年 06月 27日

 チャリで15分ほどのお寺が5,6鉢で蓮を育てているので毎年撮らせていただいています。
 蓮はお寺に良く似合います。仏教でよく蓮の花が出てくるのは、阿弥陀経に極楽には蓮の花が咲いていると説かれるからだそう。

 芥川龍之介の『蜘蛛の糸』もこんな風に始まります。
「ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮の花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない好い匂いが、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽は丁度朝なのでございましょう。」そして最後は「しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんなことには頓着致しません。その玉のような白い花は、お釈迦様の御足のまわりに、ゆらゆら萼を動かして、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない好い匂いが、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽ももう午に近くなったのでございましょう。」と、カンダタのドラマは「何事もなかった」ことに。

 この作品のテーマは「人間の業」なのか、「宗教の無力」なのか、、、、蓮を見るたびに私の心に浮かび上がってくる問なのです。
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by pechifeb9 | 2020-06-27 10:31 | Comments(0)


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